どうして組体操するの?の巻①
【つれづれ教育話その2】
〜ここからしばらく運動会ネタが続く予定です〜
昨日は前任校の運動会に行ってきました!
SNSを見ると色んな学校で運動会だったみたいですね^_^
わたしの1番のお目当ては組体操でした。
担任していたクラス・学年の子がすばらしい演技を見せてくれてとても感動しましたよ!
組体操の演技って、6学年の担任の中で係を決めてその先生が考えることが多いです。今回見に行って、演技の構成についても本当に勉強になりました!
さて。組体操といえば、数年前から組体操の事故についてニュースで取り上げられる機会が増えましたね。
色んな問題があるのにどうして組体操をするのでしょうか?
今日はそんなお話です。私がこれまで読んだり聞いたりした情報を元に意見を書いているので、あくまで一個人の意見としてお読みくださいね!
まずはちょっと関わる情報をいくつか。
従来通り無理のない範囲で組体操をする学校もある中、9段ピラミッド、10弾ピラミッド…と巨大な技を取り入れた学校で事故が相次ぎました。
なんと、2017年までに死亡事故は10件発生しています。怪我については年々減ってきていますが、それでも2015年で年間約7000件だったのが2016年に5000件に減った…という、まだまだ件数的には多いという現状です。
不名誉なことに、長野県は2015年で都道府県別第11位、2016年で10位という事故件数でどちらの年も約30名が骨折をしています。
子どもたちの健やかな成長を願って行われる運動会で我が子が怪我や死亡だなんて…考えただけで切なくなります。
なら。やめてしまえばいいじゃないですか。
やめてしまえば子どもたちが怪我をしなくて済む!
ということで、千葉県の柏市では組体操全面禁止というルールを打ち出してこれまた賛否両論ありました。
組体操は確かに怪我が絶えない、けれども跳び箱やハードル、球技系や武道系(特に柔道!)でも授業中の怪我が問題になっているのに組体操だけ禁止!はおかしいという意見も。
私の意見ですが、組体操の1番の問題は、形骸化したまま続いてしまったことだと思っています。
前述の都道府県別怪我の件数…上位の都道府県って毎年あまり顔ぶれが変わっていないんです。怪我が少ない都道府県は毎年少ない傾向。(あれ?人が怪我する確率は平等なはずでは?)ここから、地域の期待や近隣校との差別化などを背景にその県全体で組体操の難易度について暗黙の了解が生まれているのではないか、と考えています。
そう、教師一人の意識ですぐ変えられることと、そうじゃないことがあるんですよね。学校の方針です!地域の方針です!となりの学校はやってるのにどうしてうちの学校だけやらないよ?その言葉の重いこと。
どうして組体操やるの??
本来、組体操って身体の使い方や力のかけかた、仲間との信頼関係づくりが目的のはずです。そこに立ち還れば案外答えは出しやすいはずなのに、そうじゃないところで加熱してしまった結果、問題にまでなってしまいました。
それらを踏まえて。
昨日の組体操では巨大な技はほぼなかったです。子どもたちが指先までしっかり伸ばす、それを仲間と合わせる。テレビで見たことある集団行動や千手観音といった子どもたちが意欲的に取り組めそうなものを取り入れる。立体的な巨大な技がなくたってこちらはとても胸を打たれました。
先生方がよく考えて構成したんだろうな、という演技でした。
何がベストかは難しいですが、その時の子どもの実態に合わせてつくる、それが大切ですよね。
子どもが第一です。怪我をした子どもに対して、「この辺の学校では5段ピラミッドが当たり前なんだ!」なんて、言えないですよね。
地域の宝である子どもたちの健やかな成長を促すためにあるべき姿を追求していくのが、これからの組体操かな、と思いました。
0コメント