絶対音感のお話、の巻

【つれづれ教育話その6】

ある日の私の話。


ニ○リに買い物へ。
ラ〜〜〜ドッドッドッドッド(エスカレーターのベルトが擦れる音)


おお!すごくぴったり!気持ちいい!!




店員さんいない
呼び出しボタンポチッ

「業務連絡、○階○カウンターでお客様がお待ちです…」
うん、このアナウンスすごくF durぽい!


ドー!(iPhoneの通知音)
あ、メールだ


その後、く○寿司へ。

ソー↑(バックヤードの音?)
ソー↘︎(これも?)
ソソソソソソソソソソ↓(お寿司来たことを知らせる音)
ソー↖︎(お客さん呼び出した音)


ソっぽい音ばかり!
でもぴったり来るのがなくてどの音もみんなソに近い!食べていてもソの音が…!









私は絶対音感です。

今書いたのは私が日常で感じていることのほんの少し、です。これを書きながら冷蔵庫の稼働音がCis durに聴こえています。




絶対音感ってうらやましい!って言われることが多いです。テレビでもそのように扱われることがありますよね。




でも、絶対音感があるから音楽が得意とか、そういうことはないんです!!


単に、身の回りの音を聴いて機械などを使わずに何の音か当てることができる、というだけです。例えるなら、瞬時に檸檬色と菜の花色を見分けられる能力があるとして、だから絵がめちゃくちゃ上手い!とはなりませんよね?そういうことなのです。




しかも、絶対音感で言うところのドとは私の中のドのことなのです。他の絶対音感をお持ちの方とヘルツ(周波数)レベルで比べたら違いがあると思います。(私の中のドは441ヘルツであることが多くて、これは小さい時から使っていたピアノが441ヘルツに調律されていたことが要因と思われます)



ちなみに、世の中の人は絶対音感か相対音感かどちらかを持つと言われています。相対音感は、ある音が鳴らされた時そこから音の幅をたどって音をとらえる音感のこと。


絶対音感の良さ、相対音感の良さ、どちらもあるんですよー。





私は高校生になるまで、世の中の人はみんな音がドレミで聴こえると思っていました。



ある日、高校でお世話になった音楽の先生が授業でシ♭ドレミ♭ファソラシ♭と弾いて「これ、ドレミファソラシドに聴こえるでしょ?どの鍵盤から始めても同じ間隔で上にすすめばドレミファソラシドがつくれます」と言いました。


私は意味がわからず…??(╹◡╹)



授業後に「さっきのはドレミファソラシドなんですか…?そうは聴こえなかったです…!」と先生に質問に行きました。そこで初めて、周りの人は相対音感持ちが多いこと、先生が言っていたのは階名のことで私は音名を言っていたということを知りました。




そして申し訳ない気持ちでいっぱいになったのです…!だって私は中学生の時、音を聴いてからじゃないと楽器をチューニングできない人を「音楽苦手な人」って捉えてましたから…!何度か「そんなことも分からないの?」って言った記憶もあります…今よりだいぶトゲトゲしていたのでσ(^_^;)



その時、先生からこうも言われました。
「絶対音感は時として武器になるけど不便なこともあるね。自分の中の音があるから基準音に合わせる時は割り切りが必要。例えば調律師になるのは大変だと思うよ。あれは絶対音感が必要と思われてるけどむしろ鳴らされた音叉にいかに合わせていくかの仕事だから相対音感の方が向いているんだ」






今日は何が言いたいかというと。



自分の中の当たり前…は、もしかしたら隣の人にとっては当たり前じゃないかもしれない。そんな気持ちを忘れずにいたいということです。絶対音感は一例。



子どもと接する時、騒ぐ・暴れる・泣く…これらの要因が、もしかしたら私がこの環境は良いと決めつけている中にあるのかもしれない、当たり前に良い環境なんてないかもしれない。そんな風に考えています。









おまけ


私の好きな“マチルダ ”というミュージカルの“Quiet”という曲の歌詞の一節を紹介します。


Have you ever wondered, well I have.
About how when I say, say red, for example.
There's no way of knowing if red
Means the same thing in your head
As red means in my head. When someone says red

とてもざっくり訳すと…


「不思議に思ったことはない?私にとっての赤があなたの頭の中の赤と同じか知ることはできないってこと」


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